パラレルキャリア・トライアル


パラレルキャリア・トライアルを進めるには

個人と会社、お互いの信頼と共創が要る

 

フリーランスでも会社勤めでも、自分の賞味期限が心配?

先日、Webコンサルをしているフリーランスの方とミーティングしていた時に出た話。

彼は42歳で優秀なWebコンサルタント。

「最近、自分の賞味期限について心配していて、このまま同じ仕事を5年10年と続けていくのは難しいことは間違いない。戦略コンサルのような次のステージへ飛躍していくか、フリーランスしながらどこかの企業と雇用契約をするか、この小さな会社を丸ごとどこかに買収してもらってビジネスの幅を広げるか、サービスづくりにチャレンジしていくか、どちらにしても最近は自分の「賞味期限」を心配することが多くなりました。」

と言ってました。

 

パラレルキャリア

 

一方で、同級生の51歳の税理士(相続対策とやらでえらく儲けているようす)や経営コンサルタントの人たちと話すと

「これからやで~、年齢を重ねていけばより大きな仕事や偉い人と関わっていくことになるので、これからがホンマの勝負やんか!」と。

かと思えば、弁護士の友人からは、厳しい、と弱音を聞いたりもします。

 

それでは、会社勤めの40代の人の話はどうかというと、

「定年まで今の仕事が続けられるとは思わないし、会社が守ってくれるかどうかもわからない。それより、周りの若手に付いていて行けなくなることが怖い、お荷物になるのはイヤだ~。」

といった不安な声を聞きます。

 

つまり、フリーランスの人も、会社勤めの人も、同様に自分の賞味期限を心配している30代後半~40代が多いのだと思います。

 

士業の人たちも2極化しているのを最近はよく聞いたりします。

 

 

 

会社勤めか、フリーランスか、これからはどちらがいいのか!?

そんなことは誰にもわかりません。

現在置かれている状況、スキル、関わっている業界、仲間や上司、サポートしてくれる人、・・・

ご自分の考え方、将来の暮らしや希望、家族構成、家土地財産、独身既婚、子ども有り無し、・・・

100人いれば100通りのそういったことがあって、どこまでいっても一概に言えるものではないでしょう。

 

フリーランスだと浮き沈みもあって、不安なことも確かでしょうし、病気でもしたら大変です。

 

また、会社勤めでも、40代いっぱいは現役バリバリで一生でもっとも力を発揮するときでしょうが、50代に近づくに従って本来マネージメント層になるはずが、そんなポストがどんどん少なくなって同じことをやり続けていてはスキル的には後輩に追い抜かれるのは時間の問題だったり。

 

デジタルのお陰でマネージメントの業務が半減し、コミュニケーションはメール、チャット、情報共有アプリ、SNS、TV会議なとで圧倒的に簡単になったし、無駄な会議は減らしていかないとグローバルで戦えないし、スモールチームがより成果が高いみたいだし、会社勤めでも不安はいっぱいなわけです。

 

ただ、アメリカでは4人に1人(3人に1人?)がフリーランスだ!というような記事を見ても本を読んでも、グローバルの仕事の仕方を実際に見ても、日本でもフリーランスという働き方がますます脚光を浴び、フリーランスの人たちが増えていくのは間違いないでしょう。

 

フリーランス的に働く方が早くからいろいろな覚悟や準備ができるので、この過渡期の変化の激しい時代を柔軟に生きて伸びていける傾向があると考える人が増えてきた、ということだと思うのです。

 

 

「パラレルキャリア・トライアル」やってみる価値大あり。

今、パラレルキャリアがともて注目されているのは働く環境自体がこのような過渡期にあるからでしょう。

 

パラレルキャリアをWikipediaで見ると

パラレルキャリア(英語:parallel career)とは、ピーター・ドラッカーが著書『明日を支配するもの』等にて提唱しているこれからの社会での生き方のひとつ。現在の仕事以外の仕事を持つことや、非営利活動に参加することを指す。

こういった考え方はこれからますます重要で、必要になっていくでしょう。

ボクがまず推めたいのは、「会社勤めをしていても、そのスキルの延長線上でフリーランスを試してみること」。

 

営業、会計、自分を売り込む自分マーケティング、自分の強み・エッジの立て方、サポートしてくれる仲間作り、仕事を頼める業者作り、・・・ヒト・モノ・カネのすべてを自分でやってみる、こういうことが出来る人は大きな成長の機会だと思うのでチャレンジしてみるべきだと思うのです。

 

会社勤めをしていてもこういった働き方は可能だと思うのですが、特に日本では名刺・看板・ブランドの威力が大きくフリーになって改めて思い知ることも少なく無いと思います。

敢えてそういう困難な道へ早目にチャレンジしておくことは長く続く自分の未来をカタチ作るには良いことだと思います。

ボクがスキルの高い人の社内独立を進めようとしてきたのはそういう想いが昔から強かったからです。

 

ところが、いきなり会社勤めを辞めてフリーランスとして独立するのはかなりハードルが高いと思います。

「週に3日会社+1日は会社半ドン+丸1日フリーランス」といったようなことから始めてみる、これからはこういう働き方をスタートさせるように出来ると良いと考えています。

・正社員として働いている

・会社と雇用契約を継続したままフリーランスを試す(待遇などが変わるリスクをもちろん受け入れる)

・自分の将来を見つめる、強みを伸ばす、未だ見ぬ自分やスキルを見つける、心豊かに生きる

今の日本の組織はまだまだフリーランスを試せる環境にはありませんが、こういうパラレルキャリア・トライアルなアクションがもっと増えていくと良いと考えています。

 

 

みずから未来を作らないリスクは大きい

「みずから未来をつくることにはリスクがともなう。しかし、みずから未来をつくろうとしないことのほうがリスクは大きい」

これまで数えきれないくらい口にしてきたこの言葉がボクは昔から大好きで、昔のように早目にみんな寿命を迎えて死んでいた時代はよかったものの、好むと好まざるにかかわらず70代も80代も生きなければならない我々は、どんな仕事やどんな働き方をしていても、このリスクに果敢に挑んでいかなければなりません。

 

TAMでは、10年ほど前からこの言葉を引用して「キャリアミーティング」という将来の自分のキャリアを考えるミーティングを全スタッフと続けてきています。

その効果がどうか?

それはまだはっきりとはわかりませんが、自分の将来を第3者の客観的な意見を踏まえて常に熟考していくことは大変重要なことだと思います。

 

会社としては大変な痛手なのですが、このキャリアミーティング後に、大学院で再度勉強する人や、キャリアチェンジをする人が出てTAMを去っていきますが、これは我々の理念の「自分の幸せは自分で掴んでや!」に合致するので、それはそれで良しと考えています。

 

 

「パラレルキャリア」は、会社と個人の信頼のもとに共に創りあげていくもの

会社が長く反映していくためにも、スタッフの将来のリスクを会社と個人が一緒になって考えていくことが不可欠だと考えています。

 

スタッフ一人ひとりに、仕事はこのままで良いのか、今のポジションのままで良いのか、将来のキャリづくりはどうするのか!?これは両者が永遠に考え続けなければなりません。

 

また、会社も生き物なので、スタッフの高齢化や、新陳代謝がなくなり新しいことにチャレンジされにくくなることや、継続的なイノベーションが起きないことなど、そういう会社サイドのリスクを考えていくことも重要です。

それより何より、ベテランがパラレルキャリアへと進んでいくことは会社にとっては大きな痛手となる可能性も高いでしょう。

 

「長く勤めてもらえる会社」「何があっても社員を守る会社」という考え方は貴重だと思うものの、今の社会にもはやマッチしなくなってきていることも事実です。

そもそも会社が社員を幸せにする、などという「おこがましい」ことは創業時から不可能だと考えてきました。

会社の使命とは、個人が幸せを掴み取るプロセスであること、そういう場を提供できる組織であること、と考えています。

 

これからは、「会社と個人がお互いにそれぞれのリスクを理解し、いっしょになってリスクに挑んでいく」、

そういう「会社と個人の共創」がこれからの主流になっていくべきだと考えています。

 

つまり、「パラレルキャリア」を進めるためには

・個人と会社がお互いに「信頼関係」を築けていること

・個人と会社がお互いの「未来」と「リスク」を相手の立場から考えられること

労使の関係とか、経営側と従業員側とか、そういうことではなく、

このような相手を尊敬する関係性が築けていてはじめて、「パラレルキャリア」という「会社と個人の共創」がうまく進んでいくのだと思います。

 

 

※TAMでは積極的に多様な働き方にチャレンジしていこうと思います。お互いに成果へコミットしていく必要が出てくると思いますが、それは本来「仕事をする」と言うことだと思っています。

※高いスキルをお持ちで多様な働き方をお考えの方は協業をご検討いただければ幸いです。ぜひお気軽にお問合せください!   https://www.tam-tam.co.jp/inquiry/