2012年7月から2ヶ月おきにアジア4都市に短期出張してきました。
出張の目的
ゴール
求人
【ジャカルタ(インドネシア)】
「2億4000万人の巨大市場、今後の成長も間違いない」と 言われているようですが・・。大渋滞に参りました。
行く前から渋滞のひどさは聞いていましたが、これほどとは思いもしませんでした。スゴイです。片道5車線くらいある大きな道路なのですが、6列も7列も車が重なり合います。 タクシーでの移動は無理と判断したので、(市内を移動する地下鉄みたいな短距離の電車はありません)専用レーンのあるバスに乗ったのですが、これまた、専用レーンにまで渋滞の車がはみ出してくるので、バスもなかなか動かない。 現地社長によると、地下鉄のプロジェクトがもうすぐ動き出すという話を聞いている、とのことでした。でないと、この渋滞による経済損失の大きさは計り知れないと想像します。 また、別の現地社長のお話では、「日本人にはジャカルタの道路は運転出来ませんよ。あれは、特殊な技術ですよ。」確かに、あの割り込み方は、神業に近いものがありました。(でも、あちこちで、救急車が走っていたり、事故していました)
●タクシーでも電車でも英語が通じない
専用レーンのあるバスに乗るのに、入り口がわからないので、下手くそな英語で、”Where is the entrance?”と何度言ってもまったく通じませんでした。
バスは満員でクーラーはあってもなかなかサウナ状態でした。) これから行く人は簡単なインドネシア語が必須です。(侮っていました)
●PC普及率は20数%、モバイル普及率は80%近い、 Facebook利用は世界第2位。
PC普及率は20%と低いものの、モバイルの普及率がたいへん高く、Facebook利用者数はアメリカに次ぐ世界第2位、(インターネット利用者の90%以上が利用している)というデータを事前に聞いていました。当然、モバイルマーケティングが盛んに行われていると予測。
- モバイルキャンペーン
- モバイルメールマガジン
- モバイル会員の獲得
ところが、現地で限られた方にヒアリングさせていただく限りでは、「あまり一般的に普及していない」「まだまだだ」「これからだと思う」というお話。ただ、いろいろな記事を読む限りでは、モバイルマーケティングもモバイルコマースも現在、すごい速度で成長中とのことなので、若い人たちにはどんどん一般的化しているのだと思われます。 ジャカルタの一般的なOL女性のブラックベリーの画面を見せてもらいました。
LINEやゲームはますます流行っているそうです。
●2億4000万人という巨大市場で、これからどんどん 成長することは間違いなく、大きなビジネスチャンスに 恵まれていることもまちがいありません。
特に日常使いのコモディティな製品やサービスについては大きなチャンスがあるでしょうし、、ITインフラでも、Webサービスでも、ゲームでも、デジタルマーケティングでも、いろいろな分野で高い成長が見込まれると思います。 ただ、自分たちの力をそこで活かすことができるかどうかは、また別問題とだと考えています。私たちのジャカルタ進出は、今はまだ少し力不足と考えています。 今回は特に大雨にあったり、渋滞で行きたいところに行けなかったり、ヒアリング不足やリサーチ不足が否めません。機会を見て近いうちにまた訪れなければなりません。集中的なスコール会って大きな道路が徐々に冠水してくるのは生きた心地がしませんでした。
●アジアのLCCがスゴイ!
シンガポール-ジャカルタ間は飛行機片道 1.5時間 4,500円、LCCが驚くほど安い。今回はシンガポールで仕事してからジャカルタ入りしたので、行きはTigerAir帰りはAirAsia
どちらのLCCも飛行機代は3000円くらいです。後は1000円強のエアポートtaxみたいなのがかかって総額4~5,000円ほどになるようですが、この低価格にはいつも驚きます。「まるでバスやな!」と予約するとき思ってしまいます。
お使いの方も多いかもしれませんが、仮にシンガポール-ジャカルタで検索してみてください。世界の飛行機はこんなに便利に、こんなに格安に動いていることにボクは遅ればせながら去年から感動しまくっています。
【クアラルンプール(マレーシア)】
「そこで自分が仕事したいかどうか、それが最重要」と考えています。
●第一印象は「親日度が高かそう!」
クアラルンプールについて最初にお会いする現地社長さんと待ち合わせしたのが、巨大なショッピングセンター内の TokyoStreet というレストラン街のあるCafeでした。
この「ToikyoStreet」なるレストラン街にローカルの人たちが賑わっているのを見て、親日度の高さを見てうれしくなってしまいました。
●マハティール首相時代の「ルックイースト政策」の恩恵!?
マハティール首相
マレーシア第4代首相。マレーシアの首相の中では最長の22年間を務め上げた。開業医から政治家に転じ、欧米諸国ではなく、「日本の経済成長を見習おう」というルックイースト政策をはじめ、長期に及ぶ強力なリーダーシップにより、マレーシアの国力を飛躍的に増大させた。1982年のルックイースト政策それから30年余り。「いまや日本の過ちから教訓を得るときだ」「韓国により多く学ぶ点がある」と苦言を呈する。アジアを代表する知日のリーダーは、停滞が続く日本にいらだちを隠さない。
30年前のルックイースト政策の恩恵なのか、今回の滞在では親日的な印象を受けることが多かったのは事実です。「プロトン」というマレーシア国内自動車メーカーがあることも初めて知りました。1980年代の設立当初から日本の三菱自動車と技術提携をして生産してきたメーカーだそうで、今でもタクシーの多くはこのプロトン車でした。
タクシーで運転手さんに「日本人は好きですか?」と毎回同じ質問をしても、「日本人一番好き!、中国人~~~~、韓国人~~~~~」と回答もらうことが多かったです。リップサービスといえ、悪い気はしないです。
●「日本人も利用するレストラン!」がキャッチコピーになる。
いろいろな現地社長さんにお会いしてお話を聞くとマレーシア人の日本人に対する評価は相当高いらしく、ローカルのレストランが「日本人も利用するレストラン!」というキャッチコピーで品質の高さを宣伝アピールする例があったそうです。こんな話を聞くとさすがに、先人の方々の苦労に頭が下がる想いでいっぱいになります。 日本人であることに誇りを覚える瞬間です。また、別の現地社長さんに聞いても、英語は下手くそでも、日本人だとローカルの大手の会社でも話を聞いてくれますよ。お金持ちは息子を日本に留学させているマレーシア人も多いですし、好意的に営業活動が出来ている、とおっしゃっていました。 ただ、やっぱり他の東南アジア諸国同様、「袖の下」的な利権がらみの行為は多いとのことで、お金次第で半年かかるのものが1周間になったりすることもあるそうで、このあたりに異を唱えても始まらない、というのはとても同感しました。郷に入れば郷に従え、はその通りだと考えています。
●クアラルンプールで仕事しよう!
ボクは楽観的で短絡的ですが、第一印象や直感はやはり大切です。クアラルンプールだと仕事が出来そうな印象がありました。(ボクだけかもしれません)活動を開始したいと考えています。 労働人口が充実し、国が充分に発展していく力を持っている時期を「人口ボーナス期」と呼ぶそうですが(反対の日本の状態は「人口オーナス期」)マレーシアの人口ピラミッドは他の東南アジア諸国と比べてもともてキレイな惚れ惚れするような人口ピラミッドなのです。
- ※マレーシアと日本の人口ピラミッド比較
- 「人口ボーナス期」
- 国の人口構成で、子供と老人が少なく、生産年齢人口が多い状態。豊富な労働力で高度の経済成長が可能。
- 「人口オーナス期」
- 国の人口構成で、高齢人口が急増する一方、生産年齢人口が減少し、少子化で生産年齢人口の補充はできず、財政、経済成長の重荷となった状態。
人口は3000万人弱と日本に比べて1/4ほどなので、大きな国とは言えないのでしょうが、魅力的な国です。ついでに食べ物は安くて美味しいです。
ボクはどこに行っても中華ばかり食べていますが。
【プノンペン(カンボジア)】
「人は優しく素朴、肥沃な大地、今は不動産バブルと聞いた」
●「リバース・イノベーション」という考え方を聞いて、 すぐカンボジア行きを決めました。
去年「リバース・イノベーション」を聞いた時に大きな衝撃を受けました。(本も出版されています)
世界人口70億人のうち、20億人は富裕層で50億人は貧困層。多国籍企業はこれまでのように貧困国の少数の富裕層に向けた製品開発をしていては未来がなく、50億の貧困層に受け入れられるイノベーションを起こしていくことがもっとも本国のビジネス成長を促進させるのだ、「貧困国はイノベーションの源泉だ」と言っています。 貧困国で受け入れられたものが富裕国でも同様に人気を得る、という、これまでとは逆のことが当たり前になってくる。なんと、当たり前でかつシンプルなのに、多くの人が気付いていない考え方だ!と感動しました。 カンボジアはまだ見ぬ国でしたが、ポルポト時代に恐ろしいことが続いた、くらいしか聞いたことがなく、そこに行けば何かヒントがあるかもしれないと思い、即座に行くことに決めました。
●ITインフラが充実している
ホテルでも外出先でもタクシーでも、スマホが繋がっていたので、プノンペン市内だけなのかもしれませんが、ITインフラが充実しているな~、というのが第一印象でした。 ホテルから日本へSkypeビデオチャットもまったく問題ありませんでした。現地社長におしゃれなカフェにも連れていってもらいましたが、若い人たちは MacBookAir を開いて、楽しそうに談笑していました。
●レクサスなどの高級車が走り回っています。
これも現地社長にお聞きしたのですが、「これまで10万円だった給料の人が家賃収入でいきなり給料が50~100万円になっている人が今たくさんいる」と聞きました。 不動産バブルですね。イオンが開発する巨大なショッピングセンターも工事中でしたし、どこが開発するのか知りませんがシンガポールの有名な「マリーナ・ベイ・サンズ」そっくりなホテルも建設が始まりかけていました。
どっからどう見てもマリーナ・ベイ・サンズ
ただし、これらのバブル的発展はプノンペンに限られたことで、ちょっと足を伸ばして郊外にいくと、そこはまだまだ未開の地で人々は、仕事って何?役割分担って何? マネージメントて何?という状態ですよ、というお話も現地社長からお聞きしました。
●IT系の教育ビジネスをやってみたいと思いました。
現地の富裕層をターゲットにするのではなく、国境をボーダーレスにしてオンラインを駆使しながら人材紹介とも組み合わせてIT教育といったことができないか、帰ってきてから考えています。 今は他にも優先することがたくさんあるので、あれこれ試行錯誤している時間が取れそうにないので、まったく前進していません。 そういう新しいことは、やる人の「志(ここざし)」次第です。今のボクではこの志の強さがまだまだダメダメです。 どっぷり現地に根付いて活動してみる覚悟のある若者がいればどうぞご連絡ください。一筋縄ではいかない苦労の連続だと思いますが、それもまたオモシロイと思います。 (滅多なことはないですが、日本よりは危ないことも確かなので、命の保証も出来ませんが)
- 社会貢献
- ビジネススキル
- 語学力
の3つの力が3年ほどで身につくことだけは間違いありません。
●現地社長が口をそろえて言うのは、カンボジアの人たちは、 人なつこく、親切で陽気、という人に関することでした。
実際にそういう雰囲気です。肥沃な大地とメコン川と、暑い気候と別にあくせく働かなくても暮らしていけそう!とボクも思ってしまうくらい、良い国だと思いました。市場の端っこにあった神様?(ひとなつっこいです)
【ホーチミン(ベトナム)】
「優秀なIT系エンジニアはもう多く残っていませんよ。」
●エンジニアはすでに囲い込まれている。
現地社長にお聞きすると、優秀なIT系エンジニアはすでに囲い込まれてしまっていて、市場でそんなに簡単に見つかる状況ではない、とのことでした。(日本と同じなのですね) 大手外資系IT企業もIT団地を作って囲い込んでいたり、だれもが気軽にオフショア開発、って言っている時代ではなくなった、とのこと。
●オフショア開発なら、もう遅いですよ。
もともと安価な人件費のもとでオフショア開発することにはほとんど興味はありませんでした。日本とアジアの価格はどんどん急速に均衡していくでしょうし、もはや、新興国や途上国という考え方自体が著しく古い。東南アジアを安価な人材の供給元と考えるのはもう古いわけです。 IT系のソフト開発でどんどん技術革新が行われていくので、同じような繰り返し作業を工場の機械のようにさせる、という発想自体が間違っていると思ってきました。IT技術者は新たなものを吸収して、どんどん成長していきたい生き物なので、工場のように同じ作業をさせていてはうまくいくはずがない、と思っていたのです。我々がリサーチしているのは、市場としてのベトナムの魅力です。 ベトナムもこれからの発展が著しいと思われます。ショッピングセンタ-でも、レストランでも、Cafeでも、不自由なくWi-Fiも使えますし、環境も整ってきていると思います。 ただ、今回の訪問だけではその魅力のほんの一部しか知ることが出来なかったので、もう少し時間を長く取って滞在しなければわからないと考えています。
求人
アジアで活躍したいガッツある若者を求めています!(テクニカルディレクタ経験者or志望者)英語が上手い下手にあまり関係なく、自分で道を切り開き、ビジネスを構築していきたい人に向いていると思います。 休日や福利厚生や給与といったことなどは二の次三の次で、諦めずにやり遂げる根性と継続性のあるスタートアップが好きな人に向くでしょう。 海外ではなかなか受け入れてもらえない「TAM理念」をアジアの拠点でも貫いていこうと考えています。 興味ある方はぜひお気軽にご連絡ください (tamehiro@tam-tam.co.jp)。 履歴書や職務経歴書等をお送りください。仕事内容はクラウドCRMのWeb連携を提案します。テクニカルとマーケティング(クリエイティブ)の両方のわかる「テクニカルディレクター」。 大阪or東京orシンガポールのいずれかで専門知識などを身につける必要はあると思われます。東京、大阪、香港、シンガポール、クアラルンプール、・・・あたりは、もうどこでもいっしょです。 文化はちょっと違いますが、都市で考えると、所得もインフラもITもスタバも、どこも似たり寄ったりです。これからはますます均衡していくでしょう。私たちは、どこででも仕事できるようになっていきたいと考えています。