脳の勉強をしたことがあるわけではありませんが、以前「報酬系の脳と罰系の脳」という話を聞いて考えたことがあります。
脳の傾向に2種類あると。
●報酬系の脳
楽しいことやオモシロイことをやっているときに喜ぶ脳。
(継続して報酬をあたえることで喜びを感じる脳)
●罰系の脳
ツラくても苦しくても構わないので、目標に向かって邁進し、達成したときに喜ぶ脳。
(継続して罰を与えて、成し遂げたときに一気に喜びを感じる脳)
脳の部分?と言った方が良いのかもしれません。
(学術的なことは一切知りませんのでご容赦を)
ボクみたいな「体育会系」「ワーカホリック」な脳は完全に後者の「罰系の脳」が優勢を占めていると思うわけです。(ドMか!?と言われたりしますが)
ボクの愛するヨットみたいなスポーツもひたすら耐え忍ぶことを続けるスポーツなので、罰系の脳にはピッタリあっていたのかもしれません。
確かに「根性」とか「ネバリ強さ」とかには自分でもバツグンの強さを持っているような気がします。
(アタマの良し悪しとはまったく関係なく)(ネジが1本外れている、とも思いますが)
しかし、なのです。
時代は「報酬系の脳」の時代だとわかっているのです。
ヨットのようなお金もかかるし、面倒くさいスポーツがどんどん廃れて行き、もはや、日本のヨットクラブで若手と言えるような人を見かけなくなってきているのも「罰系の脳」から「報酬系の脳」へ移り変わったことを物語っていると思うのです。
「報酬系の脳の時代」と言うのは、最近、よく耳にすることのある「クリエイティブクラスの時代」とも言えると思います。(ある投資信託の会社に「クリエイティブクラス」についてのコラムが掲載されていました ※ご参考 )
私たちがこれからの企業経営で作っていかなければならない働きやすい環境というのは、
- 情熱を持ち続けられる
- スキルアップできる
- 時間を無駄にせず有効に使える
- 社内外の広い人的ネットワークができる
- お金ばかりではなく、活躍をサポートしてくれる
- 社会へ貢献しているという働く意義がある
ような環境を目指していかないとならないわけです。
記事:「When Your Employees Know More Than You」を参照しました。
TAMは今年20周年を迎えましたが、この時代の転換点において、~「引き継ぐ価値観と捨てて行く価値観」~を慎重に精査していかなければなりません。
成長期の時代のように、「いつかは高級車、いつかは一戸建て、・・・」というような共通の価値観があった時は耐え忍んで、成功を掴みとるぞ!という「罰系の脳」は向いていたのかもしれない。
ただし、これからの企業が新しい価値やこれまでにない考え方を提供していかなければならない時に、みんなでいっしょに耐えて、成果を勝ちとるぞ!という価値観はあまりにも古い。
私たちは、共通の価値観を持った上で、「報酬系の脳」「クリエイティブクラス」と言われる人たちが、働きやすい環境を整備し形作っていかなければならないわけです。
TAMでも、「引き継ぐ価値観と捨てて行く価値観」を見極めていくべきときです。
そのためにも「TAMism」という理念ブックを作りました。職人さんが1冊1冊手作りしてくれるミニ製本を採用して何と1冊2,000円ほどかかっています。(印刷したのは200冊です。)
共通の価値観は大事にしながらも、捨てるべき価値観は大胆に捨て去って、新たな時代、来るべき時代に瞬時にかつ柔軟に対応していかなければなりません。
TAMにはそれが出来ると確信しています。
一つだけ、安易に誤解してはならないのは、
「楽しいことをする」=「楽なことをする」
と大間違いをすることです。
Do the hard right,Not the easy wrong.
(困難で正しい道を選べ、安易で間違った道を選ぶな。)
という言葉を聞いたとき、舵取りの意思決定において、これほど的を得た考えないと思いました。
この「信念」はこれからもまったく変えるつもりはありません。まさに「引き継ぐべ価値観」なのです。