コンドラチェフの波


60年をサイクルとする経済の長期波動を「コンドラチェフの波」という。

堺屋太一著「歴史の使い方」では、
江戸時代約260年の間に4回の波が見事に見て取れる、と書いている。

この江戸時代4回の波に共通しているのは、
経済のピーク時から下降に向かうところで、
「お伊勢参り」が大流行し、
「大天災」が起こったのだそうだ。

 

明治元年の1868年から明治45年間、大正15年間の60年を経て昭和へと続く。
昭和~平成にすでに80年以上経過しているので、
コンドラチェフの波動に当てはめるなら、
1990年代中頃にバブルが弾けて、時期を同じくして阪神淡路大震災が起こったあたりが、
江戸時代の下降局面と同じ、急降下真っ只中ということなのだろう。

1995年頃から15年ほど経つことになるが、
最近ではテレビの朝のワイドショーを見ていても
「間もなく、ハイパーインフレが起こる」
「戦争が起きない限り、日本は破綻する」
「欧州並みの福祉国家に転換する以外に日本の生き残る道はない」
「ギリシャ、アルゼンチン、スペイン、の危機に学べ!」
などと、
おだやかでない発言があちこちで聞かれるようになったようだ。

いろいろな予測は予想として聞いていけばいいと思うのだが、
今は、
確かにコンドラチェフの波の最終局面を迎えようとしているのだろう。
幕末日本と似ているから龍馬ブームにもなる。

お札が紙切れになってしまうことだってあるかもしれないし、
食料がまともに手に入らない時代を迎えるかもしれない。

ただ、別に世の中がどうなろうと、
一人でも生き抜く力や家族を守る自信があればいいし、
そのこと以上に大事なことは存在しないとボクは思ったりする。

先を予測することや、
時代を敏感に感じ取ることはますます重要になるだろう。

しかし、これから起こるだろう「価値観の大転換」を感じ取り、
対応していくことが一番大事になる。

若い人達は物質的な満足をあまり求めなくなったし、
物流以外、人々のコミュニケーションには完全に国境がなくなったし、
組織で定年まで働き続けるという常識も通用しなくなった。

あらゆる常識が崩れていると思う。

 

すでに大転換は始まっているんだろう。

ボクらはすごい時代に生きている。