「コラボ消費」TEDムービー
2010年12月に公開されたRachel Botsman(レイチェル・ボッツマン)さんの「コラボ消費」が素晴らしいです。
(日本語字幕ありますので、未だご覧になっていない方はぜひ)
※あのベストセラー「SHARE」の著者で美人です。
以下にムービーのキーワードをメモしてみました。
- インターネットのおかげで「信頼のメカニズム」が大きく変化した。
これまでのようにクレジットカードの信用情報だけでなく、個人のインターネット上の行動履歴やソーシャルグラフが人々が信頼し合うことを可能にしつつある。 - 時代の大きな転換点「協力し合う世界」をもたらした4つの理由
- A) 人々はコミュニティの重要性を再認識した
- B) P2P技術の急激な進歩
- C) 環境問題に対する懸念
- D) 消費行動を変えるほどの世界的景気後退
これらが「コラボ消費」を起こした。
- コラボ消費の3つのパターン
- A) 使用済のものを使わない人から使いたい人へ回す(本、CD、DVD、・・・)
- B) 使っていないもの共有するライフスタイル(スキル、時間、お金、・・・)
- C) 製品の効果に対して(使うことに対して)お金を払う(カーシェア、ランドシェア・・・)
- 所有することに満足を得られなくなってきている
- 所有から共有へ
- 所有から使用へ
- DVDが欲しいのではなく、コンテツが見たい
- CDが欲しいのではなく、曲を聴きたい
人々は「経験」を欲している
ビデオの中に出てくる
Zipcar
swap.com
swapsklils
あたりは時間のあるときにどうぞ。
「埋蔵資産」を活用する社会へ
身の回りを見渡してみると、要らない物の何と多いことでしょう。
- 服はクローゼットに入りきらないほど(ボクの場合はファストファッション系が捨てるに捨てられなくて)
- 本もCDも置き場に困って捨てようかと悩んでいる
身の回りに要らない物がいっぱいありますが、自分には「要らないモノ」でもある人にとっては確かに「要るモノ」だろうな、ということは容易に想像がつきます。
また、使わない間は眠っているものもたくさんあります。
- 使っていない間の車、お金、・・・
- 使っていない時間のガレージやオフィスや家、・・・
そして、なかなか気付かないものもあります。
- 自分が持っているスキル
- 空いている自分の時間
こういった身の回りにある「埋蔵資産」は共有され、シェアされ、使い回しされていく社会になっていくとボクもそう思います。
「コラボ消費」な社会になるだろう根拠
私たちは成熟した社会に生きています。
失われた20年という言葉を聞いてからだいぶ時間が経ったように思いますが、1989年の最高値以降は、新卒の給料も、卵やお米の値段も、ガソリンも、物価は上がっていないし、これからの20年も年をとる人が増えて、人口が減るのだから、高度成長するような社会にならないことは誰もがわかっています。
(※悲観的になる必要はまったくありません!)
その上、エコだ、環境問題だ、温暖化だ、CO2だ!ゴミは出さない、ものを大事に、モッタイナイという世の中になっているのだから、埋蔵資産を共有、シェアしていくことは必然的に思えるわけです。
さらに Rachel Botsman さんが言うように、人は先祖であるサルと同じように協力して生きていく本能がある、らしいのだから、さらに納得がいくわけです。
そして、P2P技術(Peer to Peer:ファイル共有のアレですね)とインターネットの進化でますますシェアされやすく、共有されやすい、世の中がくるわけです。
「人々はどうなっていくのでしょう。
2極化していくのではないでしょうか?
- 善意を持って協力しあおうとする人々
- 悪意を持って搾取しようとする人々
いつの時代にもこういう構図はあるのですから今さら、と思うかもしれないですが、最近、騙そうとする悪い人々がインターネット経由でどんどんやってくる頻度が増えたような気がしてならないのです。(SNS全盛期だからかもしれませんが)
人を見抜く力や自分や大事な人を自身で守り抜く力といったものをますます磨いていかなければ、ボッーとしていると気がつくとエライ目にあっているような気がします。
そういう世の中でモノを売るには
「コラボ消費」な世の中ではもはや企業側が「買って!買って!」と大声で叫んでももう売れないですよね。
売り手と買い手に信頼関係やファンの関係がないと買ってくれない、そういうソーシャルな世の中なのだと思います。
コトラーさんのマーケティング3.0を読んでから半年くらい経ちますが、そういう世の中へますますシフトしていることを身をもって感じます。